「社会が空中分解していくようだ」
大学のとき、ある年配の教授が言ってた。
「確かに」ってそのとき思ったけど、実際そうなってきたよね。
私は、kula shaker の歌詞を思い起こす。
「the world has lost its head」
kula shakerは私の好きなイギリスのバンドで、この歌詞の曲が収録されているのは
「peasants, pigs and astronauts」っていう私の好きなアルバム。
「世界は頭を失ってしまった」
つまり、世界の脳みそにあたる部分がなくなった。
本当、そういう感じになってきたよね。
90年代、または2000年代、いろんな人が警鐘を鳴らしていた。
「このままじゃ人類が滅ぶ」って。
でもそれは少数派の意見でたいていの人はかなり、そういう問題に対して緊張感がなくて、本気にしてなかったように思う。
学生のころ、私は「はりぼてみたいな世界」だなって思ってた。
表面的には何の問題もないかのように、不都合なもの、醜いものをうまく「はりぼて」
の向こうに覆い隠して世界はまわっているように見えた。
そして少数の人が一生懸命、叫んでた。炭鉱のカナリアのように。
「このままじゃ危ないよ!」って。
そこには希望があったと思う。
kula shakerのクリスピアン・ミルズとかトム・ヨークとかのミュージシャンたちも、
アメリカのマイケル・ムーアっていう映画監督とかも希望を込めて、作品をつくっていたと思う。
みんな「知らない」から何もしないだけで、本当に「危ない」という事実を知ったら、
何か変わるんじゃないかって。だから真実をみんなに伝えようって。
今、2020年代。「はりぼて」はすっかり崩れ去ってしまった。
醜悪なもの、悲惨な事実、都合の悪いものは、もうマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー作品を観るまでもなく、誰の目にも明らかになってしまった。
でもただ、行先も見えずに人類は立ち尽くしているように思う。
もうみんな「知っている」。
でも、「事実を知れば何か変わるんじゃないか」と希望をもって真実を伝えようとしてきた人たちが期待していたような、人々の行動変容はなかった。
戦争。地球温暖化。環境難民。あらゆる汚職。ありとあらゆる不正。極右の台頭。
みんなが事実を知っていても、事態は悪化していくように見える。
「知識」としてはみんな知ってる。
でもそれを「シェアできている」「共有できてる」という実感がないような世界。
それが怖いな、と思う。
本当に解決すべき問題が選挙の争点にもならない。誰も気にしてないかのように。
相変わらず、「経済、経済」の一辺倒で驚く。
もう21世紀なのに。。
希望があるとするなら、少数派の人々。
昔どこかで「少数派が歴史を動かしてきた」って読んだ。
多数派が見向きもしないような、奇抜な行動をとった少数派が勝利したってことは
歴史上、多々ある。
だから絶望なんか絶対しないけど、人類どうなるのかなって思う。
でも大事なのはきっと、あきらめないこと。見捨てたりしないこと。
だから私は思考するのをやめない。
みんなも思考停止に陥らないでって思う。
考えていれば、思っていれば、きっとそれが何かにつながるって思うから。
考えるって大事だよね。
すべての行動は「考える」ことからスタートするんだから。
ひとりひとりの行動が世界を形づくっているという事実から目をそらさないで
いけば、希望はあるって思う。
まだ答えはない。
でも、答えを探すことをやめてはいけないと思う。
「空中分解」しないために。
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