Midnight Vultures

BECK の「Midnight Vultures」をめっちゃ久しぶりに聴いた。

魂が整ったという感じ。私は自分の魂を整えるために音楽を聴くんだな。。

BECKは天才。本当に。もう出てこないだろな。不世出の天才。

このアルバム、一見、キッチュででたらめな歌詞で抽象画みたいな音楽。

でもそこには確かに彼の深い精神性があって、鳴っているのは真実。

とても洗練された方法で現代を風刺している。


これはロサンゼルスという場所だからこそ生まれた音楽。

ロサンゼルスを旅行したとき、そこかしこにこのアルバムのにおいを感じとって、

そう思った。ロサンゼルスはBECKのふるさと。

自分の「ふるさと」を音楽にするとき、きっと最高のものが生まれる。


私は運よく、このアルバムの日本ツアーに行くことができた。

場所は大阪城ホール。

すごかった。ただただ、すごかった。

音楽に酔いしれた。一番うしろの真ん中の席。でもBECKは私のすぐそばで歌ってくれていた。私の人生のハイライトともいえる、凄まじい経験だった。

この世界が崩れ落ちるような感覚に陥った。

世界の天井が崩れ落ちて、星空がのぞいた。

そして宇宙の隕石が会場に降り注いだ。そんなライブだった。


このアルバム毎日聴いた。本当に毎日。

私はBECKがこの世界にいてくれれば大丈夫。そう思った。

彼についていこうって。


このアルバムのなかにある、今聴いた「beautiful way」という曲。

「You go and miss the train」という歌詞が心に残った。

「あなたは行って、電車を見逃す」

なんか、わかるなって思った。

恋を終わらせるとき、そんな気持ちになるよね。

そこへ行く。でも電車には乗らない。ただ電車を見逃す。

まだ間に合う。まだ電車はそこにある。まだ乗れる。

でも乗らない。


私はそうやって恋を終わらせてきた気がする。

追いかけて恋は始まるのかもしれない。

でも最後は「追いかけない」

そうして恋は終わる。

まだ間に合う。でも乗らない。ただ立ち去っていく電車をみつめる。

「バイバイ」って複雑な気持ちを抱えながら。

「ありがとう。大好き」と「大嫌い」の両方が混ざった、

変な気持ちで「さようなら」とつぶやく。

「もう乗らない」決断を小さな胸で下す。


「乗らない」ことも大事だよ。恋に限らず。

「乗らない」選択もありだよ。来てるからって乗らなくていいんだよ。


BECKは「現代」という電車を見逃す自由について歌っているのだと思う。

ますます複雑化する現代。

たくさんのメッセージ。「こうすればいい」という提案。

「こうしよう。ああしよう」みんなが言う。

複雑にたくさんの電車が交差する。

あなたは乗り遅れまいと、急いで電車を選ぶ。

みんなについていかなきゃ。乗り遅れたらやばい。って。


でも「乗らない」選択肢もあるんだよね。

恋にしても。この時代にしても。

みんなについていかない「選択」もありだよ。

そういう自由をBECKは歌ってくれる。

私に自由をくれるアルバム。SO COOL


とてもクリエイティブなアルバムで集中できる時間のあるときしか聴かないけど、

めちゃくちゃすごい作品。まさにマスターピース。

なんだろう・・彼の人生のすべてが伝わってくるような感覚がする。

改めて音楽ってすごいね。


ちなみにBECKの「sea change」ってアルバムのツアーのライブは3回行きました。

大阪、名古屋、ロサンゼルス。

ちょっとしたエピソードもあるので、またいつか✨✨





リリカ エメラルド

Lylica Emerald シンガーソングライター Lylicaのオフィシャルサイトです ブログ→https://ameblo.jp/cocoania twitter(X)→@Lylica_Emerald instagram→lylica_emerald