unknown・・未知の、知られていない、未確認の、という意味。
king gnuの「the greatest unknown」というアルバムを初めてめっちゃ真剣に聴いた。
「未知のもの」それはきっと心の世界。
精神という海のように空のように広大な未知の、得体の知れない世界。
それを解き明かそうと挑戦したアルバム。だと思う。
サウンドが美しくて完璧でそっちに気をとられていたんだけど、
歌詞がすごいね。
ひとりの特別な、誰とも代えのきかない愛する人。
その人についてとても純真に歌われていることに気づいた。
「過去も未来もあなたで満たしたい」
すごい。
たとえあなたが私から去っていても何も気持ちは変わらない。
どんなラブソングよりも深いね。
そしてそういう「ひとり」が心のなかにいることは
すごく幸せなこと。
ダンテのことを思い出した。
ダンテは幼少のころからベアトリーチェというひとりの女性を愛した。
24歳でベアトリーチェが亡くなった後も、彼女を愛し続けた。
ベアトリーチェは見え隠れするミューズとして、ダンテのほとんどの作品に登場しているらしい。
生涯、ベアトリーチェというひとりの女性を愛して、彼女をミューズとして
作品を作り続けた。彼女に導かれて、芸術を生み出し続けた。
それは究極の愛といえるかもしれない。
精神の世界に果てはない。無限。ちょうど宇宙のように。
私は10代のころから、そういう精神の「未知の世界」に音楽を響かせてきた。
自分のまだ知らない心の領域に音が届き、音が響く。
そうして自分の心のダークマターといえる場所を私は確認してきた。
自分の魂の広大さに触れてきた。
このアルバム、すごい没入感に陥る。映画みたいに。
どこか違う世界で鳴ってるよう。
でも歌詞を注意深く聴くと、ちゃんと現実の人生について歌ってる。
すごく洗練された何の隙もないような、知的な歌詞。
完璧すぎてこの曲をかいた人のパーソナリティはあまり見えてこないんだけど、
つまり人間くささが無いんだけど、歌詞がとても真実で心に入ってくる。
でも「愛するひとり」についてこんなに深く心を砕けるっていうだけで
信頼できると感じた。
きっとダンテのように純粋な心をもった人なんだろう。
king gnuのソングライターもダンテのようにひとりの愛する人から
曲を紡ぎ続けているのだろうか・・
ちょっとクレージーだけど共感する。
「過去も未来もあなたで満たしたい」
そういう「ひとり」に出会えただけで、きっと奇跡だね。生きる意味になるね。
何があっても生きていけるね。ダンテのように。
0コメント